本日、dracom祭典2011 『gutter』、 初日を迎えます。
持ち込む舞台美術や仕掛けなどがまったくありません。
伊丹アイホールそのものが舞台美術であり、
伊丹アイホールそのものが仕掛けである、
といったようなことになっています。
正直に言うと、今回は、
こじんまりとした、適当に丸く納まった作品になるのではないかと危惧していたのですが、
劇場に入ってからセリフや演出にいろいろと手を加え、
なんども繰り返して稽古をしているうちに、思っていたよりも不思議な作品になりました。
よい意味で、わたしの手から離れていきました。そして、世界の混沌に近づいていっています。
「老い」をメインテーマとしてつくりましたが、
最近のdracomにはなかった爆発力があるし、ふざけた笑いもあります。
でもそれは、「老い」を描くための必然です。
dracomは「難解」とされてきましたが、今回は、
わかりやすいところはよりわかりやすく、わかりにくいところはよりわかりにくい、
輪郭がはっきりした作品になったので、
やはり「難解」かもしれませんが、お客さんを放置するようなことはありません。
掴みどころは明確に示しています。
「老い」の、そして「世界」の難しさをわたしと共有できる上演です。
そういった意味では、とてもわかりやすくなっていると言えます。
是非みなさん、観に来てください。