dracom 祭典2007  『 もれうた 』

とある公園。中年女性と、彼女の面倒をみているらしい若い女性の会話から、中年女性が認知症であることがわかる。急用のできた若い女性は、中年女性を一人残して公園を去る。公園の何気ない風景の中で、登場する人々のうちの誰かは必ずオペラの名曲を鼻歌で歌っている。この様子は、認知症の女性から見えるものなのか、それとも、記憶の中になる公園なのか…

俳優のセリフはすべて録音されていて、スピーカーから聞こえる。そのセリフを記憶している俳優は、動きと仕草で会話している人の身体のみを演じる。そして、録音されたサセリフと身体は意図的にズレをつくりながらパフォーマンスは続く。観客は直前に聞いた(または見た)記憶と、現在の舞台にある身体(または録音された音声)との間で意識をゆさぶられ、不思議な体験をすることになる。

演出を担当したdracomリーダーの筒井潤がこの作品で京都芸術センター舞台芸術賞を受賞した。

2007年9月8日(土)、9日(日)京都芸術センター フリースペース 9月29日(土)、30日(日)AI・HALL
(演劇計画2007 京都芸術センター舞台芸術賞ノミネート作品)

[作・構成・演出] 筒井潤

[出演]
穴見圭司 筒井潤 村山裕希 吾郷均(胡蝶花-shaga-)
河合良平(インテレ-P)
サリngROCK(突劇金魚) 鈴木えみり 松岡里花 横尾文恵  岡芳子

[スタッフ]
舞台監督:浜村修司 美術:柴田隆弘
照明:葛西健一(京都公演) 池辺茜(伊丹公演)
音響:上山朋子 リング池田 演出助手:吉田真希子(胡蝶花-shaga-)

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