【2017.6.9~11 dracom theater performance】

ウイングフィールド25周年を同じく25周年のdracomが勝手に記念する演劇公演。箇条書きに限りなく近い詩のような台詞や摑みどころのない会話の連なりで出来ているテキストを、出演俳優がサイコロを振って台詞を言う順番を決めていき、それをダイアローグとして成立させるという初演から一貫している上演方法は、現在の観客に新たな驚きを提供した。また、今回はウイングフィールドが劇場になる前の、オーナーの福本年雄さんが生活されていたお住まいの間取りに戻してウイングフィールドと演劇への屈折した愛を表現し、好評を博した。

『空腹者の弁』の作り方
(オリジナルテキスト公開中)

【作/演出】筒井潤
【出演】
鎌田菜都実、筒井潤、村山裕希 <以上、dracomメンバー>、
稲葉俊(劇団走馬灯)、大石英史、松田早穂 <以上、dracom登録メンバー>、
いぬい(がっかりアバター)、進信也(べろべろガンキュウ女)、電電虫子(劇団冷凍うさぎ)、
橋本健司(桃園会)

【開演日】
2017年 6月9日(金)〜 11日(日)
☆6/10 ポストパフォーマンス・トーク [ゲスト]福本年雄(ウイングフィールド代表)

【会場】ウイングフィールド

しかしよくよく考えてみれば、dracomにとって純粋にコメディーと呼べるものはこれだけだ。
1997年の初演時は、あまりにものわけのわからなさにお客さんが途中で帰ってしまったりした。

次の瞬間にどんなフレーズが飛び出すか予測できない声の羅列としてのテキスト。役名はない。
稽古場で出演俳優がサイコロを振り、出た目の大きい人から順番に1行ずつあてがわれた。
そんなデタラメにも果敢に挑み、会話を成立させ、人間模様を生み出すのは俳優の悲しい性である。
俳優の美しさというものがあるとするならこのことではないかと、これを上演する度に思う。
ウイングフィールドでしか上演したことがないこの作品は、空間の使い方でもいつも話題になった。
今回はウイングフィールド代表の福本年雄さんがかつて暮らしていたときの間取りを再現する。
俳優は演技を笑い、劇団は演劇を、台詞は言葉を笑い、観客も創り手もよくわからないまま笑う。
『空腹者の弁』は世界を自嘲させる行為なのだから、もうとにかくみんなに一緒に笑うしかない!

dracom リーダー  筒井潤


【スタッフ】
舞台監督:西野真梨子
舞台美術:柴田隆弘

音響:あなみふみ(ウイングフィールド、dracom)
照明:池辺茜(GEKKEN staffroom)
制作:尾崎商店、dracom制作部

【主催】dracom
【提携】ウイングフィールド

【助成】芸術文化振興基金、大阪市

第9回むりやり堺筋線演劇祭 参加公演

2017.6.9〜11 dracom SAITEN “Speech by Hungry People”  venue : Wingfield

コメントは受け付けていません。