dracom 祭典2010 『事件母(JIKEN – BO)』

一人の女性が死体で発見された。そして、それを囲んで話している2人。あるいは3人。ときには4人。またあるときには…。彼らが行っているのは現場検証なのか、実況見分なのか。そもそも、彼らは彼女とどういった関係であるのか明確ではない。さらには、会話は女性の死後のものなのか、あるいは生前なのか。それとも…。彼らは、とりとめのない、犯人探しであり、それでいて実況見分でもある会話を繰り返す。しかし、彼らの言葉が繰り返されていくうちに、その発語のタイミングは徐々にずれて、予想もしなかった不安定な世界の姿が露になっていく…

2007年に会津若松で起きた母親殺害事件やギリシャ悲劇の「オレステイア」三部作を下敷きにし、母親を殺すということ、あるいは母親の存在そのものについての考察を踏まえて創作された。dracomのユニークな試み「録音された台詞と俳優の演技のズレ」をさらに掘り下げていって、奇妙な物語の紡ぎ方を示した。

2010年10月14日~17日 京都芸術センター 講堂 (KYOTO EXPERIMENT 提携公演)
2010年
11月18日~21日 THEATER GREEN BOX in BOX THEATER
(フェスティバル/トーキョー 公募プログラム参加公演)

[作・演出]  筒井潤

[出演]
穴見圭司 村山裕希 小島聖子 (以上、dracom)
岩澤侑生子 河合良平(インテレ-P) 小坂浩之(KDC)  雑賀宏明(sy-company)
斉木りさ 中嶋さおり べかお(コレクトエリット) 松田早穂(ベビー・ピー) 吉田圭佑

[スタッフ]
舞台監督:西田聖  美術:dracom 照明:葛西健一  音響:奥村朋代
宣伝美術:三澤敏博(絡繰堂) 制作:安部祥子 dracom制作部

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