dracom 祭典2012 『弱法師』

東京大空襲の時に盲目となった5歳の俊徳は、川島夫妻に引き取られ、大事に育てられた。そして15年後、俊徳の実の両親の高安夫妻と川島夫婦が彼の親権をめぐって、家庭裁判所の一室で話し合うが一向にまとまらない。そこへ調停委員の桜間級子が俊徳を連れてくる…

dracomによる祭典2009以来の既製戯曲上演。“ 録音された台詞と俳優の演技のズレ” の演出方法最大限に活かし、セリフの削除や追加といったテキストの編集は行わず、夢か現か定かでない空間と時間を観客と共有し、究極の現在性こそ幽玄に最も近い実質であることを追求。能の「弱法師」、さらに遡ればインドの説話にまで到達するとされる“ 物語自体の歴史 ” が横たわる三島の戯曲と、俳優が台詞を覚え、思い出す瞬間の記録映像から現在の舞台上の表現までの“ 演技生成の時間 ”を、ときにはパラレルに、ときには密接に関係させながら上演は行われた。

2012年9月7日(金)~9日(日) 京都芸術センター 講堂

[作] 三島由紀夫  [演出] 筒井潤

[出演]
村山裕希 澤田誠(Amusement Theater劇鱗) 豊島由香 豊田智子 松田裕一郎 宮階真紀

[スタッフ]
舞台監督:西田聖(GEKKEN staffroom)  照明:葛西健一(GEKKEN staffroom)
音響:奥村朋代(GEKKEN staffroom)  映像&音楽:筒井潤
制作:dracom制作部、尾崎雅久(尾崎商店)

[主催] dracom  [共催]京都芸術センター



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