dracom 祭典2009 『 broiler’s song 』
故・中島陸郎氏の戯曲『ブロイラーは飛んだ』を物語の中心に置きながら、さらに中島氏の他の戯曲や詩から選んだ言葉も使って再構成した、“新作”。彼の言葉はとても力強いが、人間の弱さを繊細に捉えるものである。それはそのまま現代の日本を生きる我々の心の底に沈殿する複雑な感情と多くの部分で繋がっている。そのような過去に書かれた中島氏の言葉とdracom特有の演出方法の出会いによって、脈々と継がれていく演劇の実験性と、時代は違っても変わることのない孤独な人間の儚い“生”が舞台上に立ち現れる。
『 ブロイラーは飛んだ 』-あらすじ- 女がひとり、舞台上にいる。そして彼女は、どういうわけだか一枚の大きな鳥の羽を手にしている。羽の由来を考えているうちに、彼女は自分のそれまでの人生を振り返り出す。戦中の特需で大金を得た父、その父に捨てられた母、卑怯な手口で欲しいものを手に入れていく父の秘書、そして、初恋の男への想いと残酷な結末。差別と戦争に振り回された女は、孤独と絶望の中で羽の意味を見出し…
2009年4月3日(金)~ 5日(日) 精華小劇場
(精華演劇祭vol.12 DIVE Selection vol.3
中島陸郎 没後10年に捧ぐ「円型舞台への挑戦」 参加作品)
[テキスト]中島陸郎
[構成・演出] 筒井潤
[出演]
穴見圭司 筒井潤 村山裕希 宮階真紀(カウパー団)
[スタッフ]
舞台監督:西田聖 照明:葛西健一 音響操作:奥村朋代 宣伝美術:三澤敏博(絡繰堂)
制作:dracom制作部 木原里佳
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