1880年に大阪府吹田市で起きた「釈迦ヶ池遊猟事件」から着想をえた、
日独国際共同製作作品。
9月、デュッセルドルフ公演 12月、京都公演。

『釈迦ヶ池 – Der Buddha-Teich』
【デュッセルドルフ公演】2019.9.25wed-28sat 会場|FFT(デュッセルドルフ)  詳細 → FFT Düsseldorf
【京都公演】2019.12.6fri-8sun 会場|京都芸術センター

主なテーマは「謝罪」「ディスコミュニケーション」「スクリプト(台本)」。少し難しそうですが、それらを様々な “あるある”や、19世紀後半に近代国家の成立を目指していた日本と、東アジアでの展開を模索していたドイツとの間で起きた外交問題を下地にして面白おかしく上演します。ふたりの俳優の超絶技巧によってどこまで真面目でどこからふざけているのか、どこまで演出されていてどこからが実際の出来事なのかが誰も(本人たちも!)わからなくなります。日独の字幕付き。

作・演出:筒井潤  出演:鎌田菜都実、ナジャ・デュスターベルク
ドラマトゥルク:オレック・ジューコフ  メンター:新井知行
戯曲翻訳:ベネディクト・フォーゲル   字幕翻訳協力:マイド・ピア智子、エルスハニー・ミュラー
コーディネーション(ドイツ):岡本あきこ
〈京都公演〉舞台監督:浜村修司  照明:筆谷亮也  音響技術:森永泰代

<演出ノート>
日本人はすぐに「ごめんなさい」とか「すみません」とか言います。それは身に染みついている習慣です。一方、この企画のためにデュッセルドルフへリサーチに行ったとき、ドイツ人って謝らないなぁと思うことがありました。例えば、スーパーマーケットでの出来事。精算しようと並んでいたら、レジ店員が私の前の客と世間話ですっかり盛り上がり、私はそれが終わるのをしばらく待たされました。ようやく私の番が来たとき、店員さんは謝るどころか、前の人とのやりとりでできた笑顔のまま「Hallo〜」と挨拶してきたのです。
リサーチ中も、帰国してからも、私は謝罪に対する考え方の違いがずっと気になっていたので、今回の創作の起点としました。そして、ああでもないこうでもないと思案しながら近所を散歩していたら、偶然、釈迦ヶ池に辿り着いたのです。1880年にそこであった事件位は、今の社会や国家の謝罪について考えるためのヒントがたくさんありました。
日独の声や字幕が入り乱れる、奇妙な演劇作品です。私が創っているのに、何をやっているのかわからなくなることがありました。でも、自ら招いたわからなさに戸惑うことは、誰にでもあるのではないでしょうか?
−− 筒井 潤 −−

今作について以下のメディアで紹介されました。
ドイツ ニュースダイジェスト(ドイツの日本語情報誌)
ステージナタリー
paperC
WDR(ケルンのラジオ局。インタビュー)
Westdeutsche Zeitung(デュッセルドルフの地元紙)
RP ONLINE(デュッセルドルフの地元紙)

主催:dracom、FFT Düsseldorf、京都芸術センター
助成:公益財団法人セゾン文化財団、die Beauftragte der Bundesregierung für Kultur und Medien
協力:ゲーテ・インスティトゥート 大阪・京都

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